「介護のために夜もゆっくり休めてない…」
「一人暮らしの親の夜が心配…」
毎日の夜が不安だと、家族の負担も増えますよね。
それが原因で体調を崩すと、介護ができなくなることも。
そこでこの記事では、夜の訪問サービスである、夜間対応型訪問介護について詳しく解説します!
夜間も安心して過ごし、生活の質を向上させましょう!
夜間対応型訪問介護とは
夜間対応型訪問介護は、夜間や早朝に介護スタッフがご自宅を訪問し、必要なサポートを提供するサービスです。
通常の訪問介護と異なり、夜間対応型訪問介護は、夜間の安全確保や緊急時の対応を重視しています。
ご家族様の負担軽減や心配の払拭を目的としており、生活の質を保つために欠かせないサービスとなっています。
具体的には、夜間に訪問し、排せつの介助や安否確認をしてもらうことができます。
緊急時には迅速に対応する体制も整えられており、サービスを利用することで夜間も安心して過ごすことができます。
夜間対応型訪問介護を利用できる条件
この章では、夜間対応型訪問介護を利用するための条件を解説します。
条件は
- 要介護認定
- 居住地
の2つがあります。
要介護認定
夜間対応型訪問介護を利用するためには、まず要介護認定を受け、要介護1~5のいずれかになる必要があります。
要介護認定を受けていなければ、どの介護サービスも利用できません。
要介護認定は次のどちらかに該当する場合、受けることができます。
- 65歳以上の方
- 40歳以上65歳未満で特定疾病の方
要介護認定を受けたいと思ったら、役所の福祉課などに手続きを聞いてみることをオススメします。
手続きには約1ヶ月かかるので、早めに申請しましょう。
要介護認定の基本的な流れは以下の通りです。
STEP1:市区町村の窓口で申請
STEP2:認定調査と主治医の意見書作成
STEP3:介護認定審査会による判定
STEP4:判定結果の通知
申請は、身分証明書と診察券を準備しておくとスムーズに行えます。
また、判定結果が非該当、要支援1・2になると、夜間対応型訪問介護は利用できません。
居住地
夜間対応型訪問介護は地域密着型サービスのため、利用する事業者と同一の市町村に住んでいる方が利用できます。
居住地の市町村に利用できる事業所があるかどうか調べておきましょう。
要介護認定を受けると、担当のケアマネジャーがつきますので、聞いてみるのもオススメです。
夜間対応型訪問介護のサービス内容
この章では、夜間対応型訪問介護の具体的なサービス内容について解説します。
定期巡回
定期巡回では、夜間帯(18~8時)に定期的な訪問を受け、排泄の介助や安否確認などのサービスを受けることができます。
訪問介護員は、あらかじめケアプランで決められた時間帯に訪問します。
他の介護保険サービスと同じく、ご家族様の用事や日常生活の範囲を超えるサービスはできません。
随時対応
随時対応は、ベッドから転落して自力で起き上がれない時や夜間に急に体調が悪くなった時などに、訪問介護員を呼んで介助を受けたり、救急車の手配などをしてもらうことができます。
サービス時間帯内であれば何度でも利用できますが、都度費用がかかるので注意が必要です。
オペレーションセンター
オペレーションセンターがある事業所では、専用の端末で通報することで、適切なアドバイスや対応を受けられます。
オペレーターは、看護師、介護福祉士、医師、保健師、准看護師、社会福祉士、介護支援専門員、サービス提供責任者などのスキルを持った方なので、安心して相談できます。
しかし、対応時間が夜間(18時~8時)のみなので、日中には対応してもらえないことに注意が必要です。
また、オペレーションセンターがない事業所でも、同じように専用端末で通報できる仕組みがあります。
つまり、オペレーションセンターとは、専用の端末で、専門家に直接相談できることが最大の特徴なのです。
夜間対応型訪問介護のメリット
この章では、夜間対応型訪問介護のメリットを3つ紹介します。
夜間の安心感
夜間対応型訪問介護は、専門家に通報できる仕組みがあるので、一人暮らしのご利用者様でも夜を安心して過ごすことができます。
もちろん、ご家族様がすぐに駆け付けられると良いですが、いつでも対応できるとは限りません。
ご家族様と同居している場合でも、やはり体調の急変などに対応するのは不安です。
夜間対応型訪問介護では、夜間に体調が急変した場合でも、迅速に対応してもらえます。
ご利用者様にとっても、ご家族様にとっても、安心して夜を過ごすことができるサービスなのです。
家族の負担軽減
夜間対応型訪問介護を利用すると、ご家族様の介護負担の軽減もできます。
例えば、ご家族様が介護をしている場合、夜間も十分な休息が取れないことがあります。
休息が取れないことで、疲労がたまり、体調に影響を及ぼすことも。
そうすると、介護もできなくなるという悪循環に陥ります。
そうならないために、夜間対応型訪問介護を利用するのです。
夜間に対応してもらえる安心感があると、ゆっくりと休むことができます。
ご家族様の介護負担の軽減は、生活の質向上にも重要なことなのです。
離れて生活する家族も安心
夜間対応型訪問介護は、遠くに離れて暮らすご家族様にとっても安心できるサービスです。
他県など遠方に住む場合、なにかあってもすぐに駆け付けることは難しいです。
夜間対応型訪問介護を利用すると、定期的な訪問や緊急時の対応もしてもらえます。
夜間にも適切な介護を受けられると、離れて暮らすご家族様も安心です。
夜間対応型訪問介護のデメリット
この章では、夜間対応型訪問介護のデメリットについて解説します。
費用が高額になる可能性
夜間対応型訪問介護は、通常の訪問介護よりも費用が高額になる可能性があります。
基本料金に加え、訪問してもらう場合には都度料金が発生するためです。
介護保険サービスのため、ほとんどの方は1割負担で利用できますが、料金体系については利用前に確認しておくことをオススメします。
夜間対応型訪問介護は、利用内容によって金額が変動することを踏まえ、どれくらい利用するかを考えておきましょう。
サービス利用の制限
夜間対応型訪問介護は利用できる地域や時間に制限があります。
ご利用者様の居住地と同じ市町村に事業所がなければ利用できませんし、夜間の時間帯しか利用することができません。
例えば、日中に体調を崩しても訪問してもらうことはできないのです。
日中はご家族様が介護を行うか、他のサービスを併用するようにしましょう。
また、夜間対応型訪問介護とは別で、日中のサービスまで提供している事業所もあるので、自分に合った事業所を見つけましょう。
夜間対応型訪問介護の費用
この章では、夜間対応型訪問介護の費用について詳しく解説します。
料金体系は大きく2つに分かれています。
それは、オペレーションセンターを設置しているかどうかです。
具体的な料金は以下の通りです。
オペレーションセンター設置 | |
オペレーションサービスの利用 | 1,025単位/月 |
定期巡回サービス | 386単位/回 |
随時サービス | 588単位/回 792単位/回(2人で訪問する場合) |
オペレーションセンター未設置 |
2,800単位/月 |
上記は基本的な料金体系ですが、地域により異なる場合もあります。
また、24時間通報対応など、事業所の体制により加算されることもあります。
契約する際は、どれだけのサービスが利用できて、どれだけ料金がかかるのか、確認するようにしましょう。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護との違い
この章では、夜間対応型訪問介護と定期巡回・随時対応型訪問介護看護の違いについて詳しく解説します。
一番大きな違いは、サービス提供時間です。
夜間対応型訪問介護は夜間(18~8時)の時間帯のみサービスを提供するのに対し、定期巡回・随時対応型訪問介護看護は24時間体制で対応していることが特徴です。
介護保険の在宅介護サービスで24時間対応なのは、定期巡回・随時対応型訪問介護看護のみです。
また、夜間対応型訪問介護では医療対応ができませんが、定期巡回・随時対応型訪問介護看護では看護師に訪問してもらうこともできます。
しかし、利用した回数に応じて料金がかかる夜間対応型訪問介護に対して、定期巡回・随時対応型訪問介護看護は月額制のため、利用しなくても決まった料金がかかります。
必要とするサービスの内容や時間帯を踏まえて、どちらのサービスを使うか検討しましょう。
まとめ
この記事を通して、夜間対応型訪問介護の重要性とその具体的な内容を理解していただけたことと思います。
夜間の安心感、ご家族様の介護負担軽減、そして費用や定期巡回・随時対応型訪問介護看護との違いについても詳しく見てきました。
あなたやあなたの大切な人が安心して夜を過ごせるよう、最適な介護サービスを選ぶための一助となれば幸いです。
夜間対応型訪問介護を適切に利用し、安心感のある生活を送れるよう願っております。