2024/01/30 訪問介護

訪問介護の対象者は?利用までの流れからサービス内容までまるわかり

訪問介護の対象者は?

 

「訪問介護って誰でも利用できるの?」

 

「具体的にどんなサービスが受けられるの?」

 

介護保険制度は複雑でわかりにくいですよね。

 

しかし、知らずにいると家での生活を続けるのが難しくなることも。

 

そこでこの記事では、訪問介護の対象者となるための条件、利用するためのステップ、サービス内容など幅広く解説します。

 

全部読むと、訪問介護を利用した自宅での生活のイメージをつかむことができるはずです。

 

 

訪問介護の対象となる人は?

訪問介護の対象となる人は?

 

訪問介護の対象となる人は、要介護認定を受けた方です。

 

要介護認定には、非該当(自立)、要支援1・2、要介護1~5の8段階があり、このうち訪問介護が利用できるのは、要介護1~5の方です。

 

要支援の方は、市町村が主体の総合事業で「訪問型サービス」を利用することができます。

 

訪問介護とは違い、訪問型サービスは料金やサービス内容が市町村によって異なることにも注意が必要です。

 

この章では、訪問介護を利用するために必要な、要介護認定を受けられる条件を紹介します。

 

 

65歳以上の人の条件

65歳以上の方は第1号被保険者となり、誰でも要介護認定を受けることができます。

 

しかし、身体機能に問題がなく、非該当となった場合には介護サービスを利用することができません。

 

健康状態に応じて、要介護認定を受けるようにしましょう。

 

 

40~64歳の人の条件

40~64歳の医療保険加入者は第2号被保険者と呼ばれ、特定疾病の場合のみ、要介護認定を受けることができます。

 

特定疾病とは以下の16種類です。

 

1.がん(医師が一般に認められている知見にもとづき回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限る。)
2.関節リウマチ
3.筋萎縮性側索硬化症
4.後縦靱帯骨化症
5.骨折を伴う骨粗鬆症
6.初老期における認知症
7.進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症およびパーキンソン病
8.脊髄小脳変性症
9.脊柱管狭窄症
10.早老症
11.多系統萎縮症
12.糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症および糖尿病性網膜症
13.脳血管疾患
14.閉塞性動脈硬化症
15.慢性閉塞性肺疾患
16.両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症

 

 

訪問介護のサービス内容

訪問介護のサービス内容

 

訪問介護のサービス内容は、主に

 

  • 身体介護
  • 生活援助
  • 通院等乗降介助

 

の3つにわけられます。

 

この章では、具体的なサービス内容をそれぞれ解説します。

 

 

身体介護

身体介護は、日常生活での身体的な支援をするサービスです。

 

具体的には、入浴、食事、着替えの介助などがあります。

 

以下は、身体介護に含まれる内容の一覧です。

 

  • 移乗介助 ベッドから車いすなどへの移動を支える
  • 食事介助 安全に食事をする環境を整えたり、スプーンなどで食べ物を口に運んだりする
  • 入浴介助 準備から片付けまで入浴のサポートをする 湯船につかることが難しい場合、シャワー浴や全身を蒸しタオルなどで拭く清拭もある
  • 排泄介助 ご利用者様の身体機能により、トイレ利用のサポートやおむつ交換を行う
  • 更衣介助 ボタンの留め外しや腕をとおすなど着替えをサポートする
  • 歩行介助 トイレや浴室などへの移動の際に、腕を貸したり見守ったりする
  • 体位変換 寝たきりのご利用者様の身体の位置や姿勢をかえる
  • 口腔ケア 歯みがきだけでなく、舌みがきなど口腔内を清潔にする
  • 服薬介助 飲み忘れないよう声かけや水の準備、見守りを行う

 

 

生活援助

生活援助は、家事など日常生活のサポートを行うサービスです。

 

掃除や洗濯、買い物をしてもらうことができ、ご利用者様の身体機能が低下しても、生活の質が低下するのを防ぎます。

 

生活援助として利用できる主なサービス内容は以下の通りです。

 

  • 料理 ご利用者様の好みや体調に合わせて調理をする
  • 掃除 ご利用者様が使用する部屋やトイレ、風呂などの掃除をする
  • 洗濯 洗濯するだけでなく、干す、取り込む、たたむ、収納するまで行う
  • 衣服の補修 ボタンのほつれや少しの破れなど、衣服の補修を行う
  • 買い物 買い物リストと代金を預かり、近くのスーパーなどで購入する
  • 薬の受け取り 薬局で処方箋に基づいた薬を受け取る

 

 

通院等乗降介助

通院等乗降介助は、ヘルパーが運転する車で、病院等への通院をサポートするサービスです。

 

乗り降りの介助はもちろん、建物への移動や受診手続きのサポートもあります。

 

 

訪問介護ではできないこと

訪問介護ではできないこと

 

この章では、訪問介護では対応できないことについて解説します。

 

 

ご利用者様以外の方へのサービス

介護保険サービスでは、契約したご利用者様本人のみがサービスを利用できます。

 

ご利用者様以外の方をサポートすることは、ご利用者様の自立支援を目的とする介護保険サービスに含まれないためです。

 

例えば、ご家族様が同居している場合でも、ご利用者様のついでだからと料理をたくさん作っておくことはできません。

 

また、訪問介護では買い物をしてもらうこともできますが、離れて暮らすご家族様がいらっしゃるからとお茶菓子を買いに行くことはできません。

 

訪問介護は、ご利用者様が自宅での生活を続けるためにサポートするサービスなのです。

 

 

日常生活の範囲を超えるサービス

訪問介護では日常生活の範囲を超えるサービスには対応できません。

 

訪問介護の中でも、特に生活援助ではできないことが多くあります。

 

例えば、料理では、ご利用者様の分であったとしても、おせち料理などの時間がかかる季節料理を作ることはできません。
他にも、大掃除や庭の草むしり、衣服の仕立て直しなど、日常的に行う家事でないものは訪問介護サービスに含まれません。

 

どうしてもお願いしたいという場合には、介護保険外の自費サービスを使いましょう。

 

 

訪問介護の料金

訪問介護の料金

 

介護保険サービスの1つである訪問介護は所得により1割~3割の金額で利用できます。

 

訪問介護には単位が設定されており、訪問している時間の長さや訪問回数が増えると料金も増えるようになっています。

 

以下は料金例の一覧です。

 

訪問介護の料金
訪問介護の料金

 

初回加算や、早朝・夜間の加算などで料金が増えることもありますが、要介護度で金額が変わることはありません。

 

 

訪問介護を利用するメリット

訪問介護を利用するメリット

 

この章では、訪問介護を利用することのメリットを3つ紹介します。

 

 

自宅での生活を継続できる安心感

訪問介護を利用する最大のメリットは、自宅での生活を継続できることです。

 

慣れ親しんだ安心感のある環境で生活できることで、精神的な安定につながります。

 

家庭ごとにさまざまな事情がありますが、望まず施設に入ってしまうと、それが大きなストレスとなることもあります。

 

自宅での生活を継続することは、ご利用者様の精神的な安定に大きく寄与するのです。

 

 

介護施設よりも安い

訪問介護は、介護施設に入居した場合と比べて経済的な負担が少ないです。

 

例えば、介護施設は立地や施設形態によっても料金は変わりますが、月額利用料が10万~15万程度になります。
訪問介護では、時間の長さによっても変わりますが、週2回程度利用すると、月額利用料が5,000~1万円程度になることが多いです。

 

もちろん、自宅での介護ではご家族様の負担もあるため、費用のみで比較することはできませんが、大きな差があることを知っておきましょう。

 

 

家族の負担軽減

訪問介護を利用すると、利用しない場合と比べてご家族様の負担が軽減できます。

 

ご家族様にも、仕事など自分たちの生活がありますから、常に介護をできるわけではありません。

 

仕事の都合で、昼食の用意ができないなどといった場合にも訪問介護を利用していれば安心です。

 

決まった曜日や時間帯に訪問してもらうことができます。

 

訪問介護の利用は、家族全体の生活の質を向上させることにつながるのです。

 

 

訪問介護を利用するデメリット

訪問介護を利用するデメリット

 

この章では、訪問介護を利用する際に知っておくべきデメリットを2つ紹介します。

 

 

利用時間や回数の制限

訪問介護では、訪問の時間や回数がケアプランで決められています。

 

ケアプランとは、ご利用者様に合わせて作成された介護計画のことです。

 

計画の中に、どのサービスがどのくらいの時間必要かが記載されているので、その通りにサービスが提供されます。

 

ご利用者様の体調などにより、変更することはできますが、基本的にいつでも来てもらえるわけではないということを知っておきましょう。

 

長時間の対応が必要であれば、デイサービスに通うなど、他のサービスと併用することをオススメします。

 

 

ヘルパーとの相性

訪問介護では、ヘルパーとの相性が重要な要素です。

 

良好な関係は、サービスの質と満足度に直接影響を与えます。

 

相性が合わない場合、不満に思ったり、居心地の良い自宅のはずが居心地が悪くなってしまうことも。

 

ヘルパーとの相性は、訪問介護の満足度に不可欠ですが、常に理想的な関係が築けるとは限りません。

 

相談しやすい事業所と契約するようにしましょう。

 

 

訪問介護を利用するための3STEP

訪問介護を利用するための3STEP

 

この章では、訪問介護を利用するために必要な3つのステップについて詳しく解説します。

 

 

1.要介護認定

介護保険サービスである訪問介護を利用するためには、要介護認定を受ける必要があります。

 

地域ごとに申請方法には違いがありますので、ホームページ等で確認するか、役所の福祉課にあたる部署に電話で聞いてみると良いでしょう。

 

また、認定にはかかりつけ医の意見書が必要になります。

 

役所から直接、医師に意見書の作成が依頼されますが、診察券を持って行っておくとスムーズな手続きができます。

 

要介護認定の流れは以下の通りです。

 

要介護認定

 

1.市区町村の窓口で申請
2.認定調査と主治医の意見書作成
3.介護認定審査会による判定
4.判定結果の通知

 

申請から結果がわかるまで、約1ヶ月かかりますので、訪問介護の利用を考えるならすぐにでも申請しておきましょう。

 

 

2.ケアプランの作成

要介護認定を受けた後はケアプランを作成します。

 

ケアプラン自体は担当のケアマネジャーが作成しますが、この内容に基づいて介護サービスを利用することになりますので、意見をしっかり伝えるようにしましょう。

 

ケアマネジャーが自宅まで来てくれますので、健康状態、日常生活でのニーズ、好み、社会的な関わりなど幅広い情報を伝えることで、より良いケアプランになります。

 

 

3.訪問介護事業者と契約

ケアプランが完成したら、適切な訪問介護事業者と契約を結びます。

 

ここで、具体的なサービス内容や時間、頻度が決まります。

 

不安があれば、事業所の口コミを調べてみたり、ケアマネジャーに気になることを聞いてみましょう。

 

もし合わなかった場合は、ケアマネジャーに相談し、事業所を変えることも可能です。

 

ご利用者様もご家族様も納得できる事業所を選びましょう。

 

 

まとめ

まとめ

 

この記事を読んでいただき、ありがとうございます。

 

訪問介護の対象者、サービス内容、料金、メリットとデメリット、さらには利用の流れまで、訪問介護に関する重要な情報がわかったはずです。

 

この知識を持っていることで、あなたや大切な人の介護に関する選択が、より明確で安心なものになることを願っています。

 

訪問介護の利用を検討している方々にとって、この記事が役立つ一助となれば幸いです。

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