「訪問介護と定期巡回って何が違うの?」
同じ訪問サービスですが、違いがわかりにくいですよね。
しかし、内容を知ったうえで選ばないと、希望のサービスが使えず後悔することも…。
この記事では、訪問介護と定期巡回の基本的な違いからサービスの特徴やオススメな人まで解説します!
全部読むと、納得のいくサービスを選べるようになっているはずです。
訪問介護と定期巡回の違い
訪問介護と定期巡回・随時対応型訪問介護看護の違いは主に3つあります。
この章では、
- 対象者
- サービス提供時間
- 費用
の3つの違いについて解説します。
対象者
訪問介護も定期巡回・随時対応型訪問介護看護もどちらも介護保険サービスです。
そのため、利用するには要介護認定を受け、要介護の判定になっている必要があります。
異なる点は、定期巡回・随時対応型訪問介護看護は地域密着型サービスであるということです。
つまり、定期巡回を利用するには、事業所と同じ市区町村に住んでいる必要があります。
訪問介護では自治体をまたいでサービスを受けることも可能ですが、定期巡回は居住する市区町村に事業所がなければ利用できません。
居住地によりサービスが制限されることが、最大の違いです。
サービス提供時間
訪問介護と定期巡回・随時対応型訪問介護看護では、サービス提供時間が異なります。
訪問介護のサービスが日中に提供されるのに対し、定期巡回は24時間対応しています。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護という名前の通り、定期的な訪問と緊急時の対応があります。
例えば、夜間にトイレに行きたいけど、一人で行くのが難しいという場合にも定期巡回は利用できます。
しかし、訪問介護のように1回の訪問で長時間対応してもらうことは難しいです。
訪問介護では、着替えの介助をしてもらい、そのまま洗濯もしてもらう、というような複数の内容でも1回の訪問で行えます。
まとめると違いは以下のようになります。
訪問介護 | 定期巡回 | |
サービス提供時間 | 日中 | 24時間 |
1回の訪問時間 | 長いサービスも可能 | 短時間 |
どちらも利用するということはできないので、どんなサービスが必要かを考えて選びましょう。
費用
訪問介護と定期巡回・随時対応型訪問介護看護は料金体系が異なります。
訪問介護は訪問してもらう回数ごとに料金がかかるのに対し、定期巡回は月額制の料金です。
定期巡回では夜間などの訪問にも追加料金がかかることはありません。
訪問介護と定期巡回の料金体系はそれぞれ以下の通りです。
- 訪問介護
身体介護(食事、入浴、排せつ介助など) |
|
サービス提供時間 | 1割負担の場合の料金例 |
20分未満 | 167円 |
20分以上30分未満 | 250円 |
30分以上1時間未満 | 396円 |
1時間以上 | 579円 |
30分を増すごとに | +84円 |
生活援助(調理、洗濯、掃除など) |
|
サービス提供時間 | 1割負担の場合の料金例 |
20分以上45分未満 | 183円 |
45分以上 | 225円 |
通院等乗降介助 |
|
1回あたり | 99円 |
- 定期巡回・随時対応型訪問介護看護
1割負担の場合の月額料金例 | |||
一体型事業所 | 連携型事業所 | ||
介護・看護利用者 | 介護利用者 | 介護分 | |
要介護1 | 8,287円 | 5,680円 | 5,680円 |
要介護2 | 12,946円 | 10,138円 | 10,138円 |
要介護3 | 19,762円 | 16,833円 | 16,833円 |
要介護4 | 24,361円 | 21,293円 | 21,293円 |
要介護5 | 29,512円 | 25,752円 | 25,752円 |
介護度や利用頻度に合わせて必要なサービスを選びましょう。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護の特徴
この章では、定期巡回・随時対応型訪問介護看護の特徴を3つ紹介します。
サービス提供時間
定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、24時間体制でサービスを提供することが特徴です。
夜間や緊急時の訪問が可能ですので、介護をするご家族様の負担を軽減することができます。
また、ご家族様が離れて暮らしている場合でも、緊急時に対応してもらえると安心です。
緊急時に限らず、定期巡回で安否確認もしてもらうことができるので、仕事などで家を空ける際も安心できます。
ご利用者様やご家族様の生活スタイルに合わせて24時間体制で必要なサービスを提供できるのが定期巡回の特徴です。
サービス内容
定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、日常生活の支援から医療的なケアまで幅広く対応しています。
名前に看護と入っている通り、必要に応じて看護師に訪問してもらうことができます。
もちろん、通常の訪問介護と同様に、入浴・排せつ・食事等の介護、調理・洗濯・掃除等の家事のサービスも受けられます。
しかし、1度の訪問は短時間であることに注意が必要です。
1日に複数回の訪問が可能ですので、必要な時間に必要なサービスが利用できます。
具体的なサービス内容は以下の4つです。
- 1.定期巡回サービス
訪問介護と同様に、入浴や食事の介助、おむつ交換などのサービスを定期的に訪問して行います。
安否確認も行っており、短時間で1日に複数回訪問してもらえます。
- 2.随時対応サービス
専用の機器で、オペレーターに24時間いつでも連絡することができます。
必ずしも訪問してもらえるわけではありませんが、状況によっては訪問の手配をします。
- 3.随時訪問サービス
専用機器からの緊急時の連絡で、訪問するサービスです。
24時間対応のため、夜間に転倒した場合などでも、すぐに駆け付けてもらうことができます。
- 4.訪問看護サービス
看護師が定期的に訪問し、健康状態等を確認します。
緊急を要する場合にも対応してもらうことができます。
定期巡回は介護士だけでなく、看護師も常駐しているため、幅広いサービスの中から、必要なサポートを選ぶことができます。
併用の注意点
定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、併用できない介護サービスがあることに注意が必要です。
上記で説明したサービス内容と重複するものは利用できません。
併用できないサービスは
- 訪問介護
- 訪問看護
- 夜間対応型訪問介護
の3つです。
しかし、訪問介護のうち、通院等乗降介助は定期巡回にないサービスのため、訪問介護で利用することができます。
定期巡回のサービス内容と重複するサービスは受けられないので注意しましょう。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護の種類
定期巡回・随時対応型訪問介護看護には
- 一体型
- 連携型
の2つの種類があります。
この章では、それぞれの特徴を説明します。
一体型
一体型とは、訪問介護と訪問看護が同一事業所で提供されていることをいいます。
介護士と看護師の連携が密に取れているため、ご利用者様の健康状態等がしっかりと情報共有されています。
情報共有の漏れがない一体的なサービスはご利用者様にとっても安心できるポイントとなります。
連携型
連携型は訪問看護事業所が別にある場合のことをいいます。
同一事業所ではないため、一体型より連携が取りにくいものの、連携型事業所ならではの幅広いネットワークで情報共有が期待できます。
例えば、地域内の病院の先生がどんな分野を専門としているのかという情報や、症状によってオススメのクリニックの情報を教えてもらえることもあります。
連携型は地域全体での情報共有が期待できることがポイントです。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護がオススメな人
この章では、定期巡回・随時対応型訪問介護看護がオススメな人はどんな人か解説します。
日常生活でのちょっとした手助けが必要な人
定期巡回は、日常生活にちょっとした手助けが必要な方にオススメのサービスです。
例えば、薬を飲み忘れないように定期的に訪問してもらう、トイレへの移動中に転倒しないよう支えてもらうなどの短時間のサポートに向いています。
日常生活での不安な部分を都度サポートしてもらうことで、自宅での生活を安心して送ることができます。
また、1日に複数回訪問してもらうことが可能ですので、必要な分だけ利用できます。
日常生活の一部分だけサポートが必要な場合には定期巡回を利用すると良いでしょう。
緊急時に対応してほしい人
定期巡回は、緊急時の対応が必要な方にオススメです。
定期的な訪問での安否確認だけでなく、専用の機器でオペレーターに連絡を取ることができます。
24時間対応しているので、夜間に転倒してしまったという場合でも訪問してもらうことができます。
また、急な体調の変化があっても看護師が常駐する定期巡回だと安心です。
特に、ご家族様と離れて暮らすご利用者様にとっては緊急時の対応がある定期巡回のサービスはオススメです。
網羅的なサービスを受けたい人
定期巡回では、介護と看護のサービスを幅広く受けることができます。
通常の訪問介護サービスに加え、看護師も常駐しているため、退院後の生活で体調に不安があるという方にもオススメです。
介護サービスに、健康チェックや緊急時の対応と、網羅的なサービスを受けたい場合、定期巡回を利用しましょう。
まとめ
この記事を読んでいただき、ありがとうございます。
訪問介護と定期巡回介護の違い、それぞれのサービスの特徴やオススメな人を理解していただけたでしょうか。
あなたや大切な人のために、最適な介護サービスを選ぶ一助となれば幸いです。
介護の選択は、ケアマネジャーと相談して行いますが、より希望に合ったサービスを利用するため、サービス内容を把握しておくことが大切です。
あなたの介護ライフがより充実したものになりますように。